タイ生まれのフレンチ・ブルドッグのブログ

はじめまして、ヌーディーです

フレンチブルドッグをタイから日本に輸送したので手続きをまとめます

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2/14のバレンタインデーに、無事ヌーディーが日本に到着しました。

手続きを初めて約8ヶ月。ようやく東京での生活が始まります。

今回はタイから日本への犬の輸送の手続きをまとめたいと思います。

段取りのまとめ

タイから日本に犬を輸送するには、以下の段取りが必要です。

  1. マイクロチップの皮膚下への埋め込み
  2. 狂犬病予防注射(2回以上)
  3. 狂犬病抗体検査
  4. 6ヶ月の待機時間
  5. 到着空港への連絡(到着40日前)
  6. 動物検疫所に提出する書類の準備
  7. タイで証明書の作成
  8. 日本到着、輸入検査

基本的には動物検疫所のサイトに書いている通りなのですが、今回はヌーディーの輸送がどのようだったかを書いていきます。

 

1. マイクロチップの皮膚下への埋め込み

犬のマイクロチップは、人間で言うところのパスポートにあたります。

機械を身体に埋め込むなんて!と思うかもしれませんが、これをしないとそもそも国際輸送できません。

読み取り機を使って皮膚上から読み取り、到着した犬が申請した個体に間違いないかを確認するわけです。

幸い、この作業はタイ人である妻が昔にやっていたためスキップすることができました。ちゃんとした動物病院であればどこでも対応可能です。ちゃんと国際標準規格(ISO)11784及び11785に適合するマイクロチップにしてもらいましょう。

 

2.狂犬病予防注射(2回以上)

マイクロチップを埋めた動物病院で、狂犬病の予防注射を打ってもらいます。注射を打った後1ヶ月間をあければ再度打つことができるようです。

タイは日本みたいに狂犬病注射は義務ではない(!)ので、実はヌーディーは日本行きが決まった後に慌てて注射を打ちました。

動物病院にて発行される手帳に、以下の項目があるかを確認しましょう。後で必要です。

  • 注射した日
  • 注射の有効期限
  • 注射のプロダクト名
  • 担当ドクターの名前

 

3.狂犬病抗体検査

狂犬病注射を打った後、輸送する個体が狂犬病を保有していないことを証明するために、日本の専門機関による検査を受けなくてはなりません。

タイの病院で血清を生成し、日本に飛行機で持ち込み、それを日本の専門機関「生物化学安全研究所(RIAS)」に送付し、検査を依頼します。

 

3-1. 血清の生成

まずは、狂犬病注射を打った動物病院にて「血清」を生成してもらいます。これは血液を遠心分離機にかけて脂分を取り除いたもの。

ぼくの場合は、注射をして血液を採取し、1営業日程度で完成しました。

血清が完成したら、日本に持ち込むための証明書の記載をしてもらいましょう。用紙はこちらからダウンロードできます。

動物病院で記入をしてもらった後はタイの空港の動物検疫所に行き、認証をもらいます。

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ちなみに、血清は出発まで冷蔵庫にて保管しておきましょう。

 

3-2.箱を準備する

血清は「WHOの感染性物質及び診断材料の安全な輸送のためのガイドライン」に準拠し、三重梱包をしなくてはなりません。

一重目は血清を漏出防止の容器に入れ、テープで固定し、周りをガーゼなどで包んだもの。

二重目は防水性の箱に緩衝材を入れ、漏出を防ぐようにしたもの。箱の表側には「内容物(血清であることを明示)、荷送人名、受取人名・住所・電話番号」を紙やシールに記載し、箱の表側に貼ります。

三重目は外箱で、十分輸送に耐えうる耐久性のある箱を用意します。この箱の外側にも、二重目と同じく、「内容物(血清であることを明示)、荷送人名、受取人名・住所・電話番号」を紙やシールに記載し、箱の表側に貼ります。

 

我々のですが、二重目は発泡スチロールの箱、三重目はダンボールに入れました。

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詳しくは、動物検疫所のこちらのページをご覧ください。

 

3-3. 空港に連絡する

血清を輸送する旨を事前に到着する空港の動物検疫所に連絡しておく必要があります。

このようなメールを書き、証明書をスマホで撮った写真を添付したところ、

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このような返信がすぐに来ました。

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3-4. 血清を飛行機で日本に持ち込む

三重包装した血清は、機内持ち込みが可能です。手荷物検査で必ず質問されるので、三重目に必ず、証明書を入れておきましょう。

なお、できるだけ新鮮な状態を保つべく、保冷剤(100ml以下のもの)をできるだけ入れておくのがベターです。タイではバンコク以外では100mlの保冷剤はほとんど手に入らないので、日本で買って事前に持っていくのがベターです。

 

3-5. 日本到着後、「生物化学安全研究所(RIAS)」に送付

無事に日本に到着したら、生物化学安全研究所に血清を送付します。

検査費用は13,000円。事前に振り込んでおきましょう。

なお、依頼には申請書が必要です。申請書はこちらでダウンロードできます。事前にプリントアウト・記入し、証明書と共に箱の中にておきましょう。

で、ちょっと大変だったのが血清をRIASに送る手段。

ぼくらは成田空港に着いたので、空港到着フロアにあるヤマト運輸で送付しようとしたのですが、「血清は取り扱いNGです」と拒否されてしまう。別の配達会社もNG。

RIASは神奈川県相模原市にあるので、さすがに持ち込みはしんどい。

とりあえず高速バスで東京駅まで行って、丸の内の郵便局に持ち込んだ。ここで職員さんに事情を説明。渋る職員さんを説得すること30分、「荷の確実な配達は保証できないがそれでもいいか」と言われたが、もうこれで納得するしかなかったのでお願いをした。後ほど、無事に「問題なし」の通知書が家に届きました。

 

4.6ヶ月の待機時間

血清が「問題なし」と通知を受けてから半年間の待機時間が必要です。この間に、航空券の手配と輸送用ケージの準備を進めましょう。

 

4-1. 輸送用ケージの準備

輸送用ケージは犬の大きさによってサイズが異なりますが、ヌーディーはフレンチブルドッグの割にはデブなので、中型犬用(幅46cm × 奥行66cm × 縦50cm)のケージを購入しました。なお、ケージには水飲み容器を取り付け、ペットシートを弾き、外側に名前を書いたシールを貼っておきます。

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4-2. 航空券の購入

ヌーディーはフレンチブルドッグなので、夏季期間(5月〜10月)の間の飛行機での輸送は原則不可能。理由は、小型犬の夏季の輸送は危険が伴うため。

なので11月〜4月の冬季でないといけないのですが、航空会社によっては「小型犬の輸送を全面禁止」している場合もあります。

2018年2月時点で、プーケット〜成田を結ぶ便で、小型犬の輸送が可能な航空会社は「全日空」と「大韓航空」のみです。もしバンコクからであれば、他の航空会社もあるかもしれませんので探してみてください。

今回は僕たちは大韓航空を利用しました。

航空券予約サイトからは「犬の輸送」を申し込むことができなかったので、直接窓口に行くか、電話で問い合わせたほうがベターです。

 

5.到着空港への連絡(到着40日前)

航空会社の予約が完了し、利用する便と到着時間が決まったら、到着する空港の動物検疫所に申請を出します。申請書はこちらからダウンロードできます。

申請書を記入してメール添付し、以下のようなメールを送ったところ、

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受理メールが届き、受理番号・届出受理書と共に、申請書類一式が添付されて来ました。

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届出受理書はこんなやつです。

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6.動物検疫所に提出する書類の準備

動物検疫所から受け取る書類は以下の通り。

Form A:基本情報入力シート

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Form C1/3:狂犬病予防注射の履歴入力シート

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Form2/3:狂犬病抗体検査の結果の入力シート

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From C 3/3:動物病院が記入するシート

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Form AとC1/3、C2/3は事前に記入しておけますが、C 3/3は輸送する48時間以内に動物病院で検査を受けた後に記入しなくてはなりません。

これらの書類はもし不備があったら空港で足止めを食う可能性があるので、事前に記入し空港の動物検疫所にメールで「問題がないか」の確認をしておきましょう。

ぼくの場合は、Form Aの「Exporter」の「Signiture」の横にある日付が「輸送日」になっていたので、そこを「最終の検査より前の日」にするように指摘をもらいました。

初めてだと何らか間違いがあるに違いないので、事前確認をしたほうがベターです。

 

7.タイで書類の証明印をもらう

  • 届出受理書
  • Form A・C1/3・C2/3・C3/3
  • 抗体検査の書類

これらの書類が揃ったら、タイの動物検疫所で証明印をもらいます。

場合によっては、犬の所有証明書、動物病院の病院手帳、航空券、パスポート、送り先の人物のパスポートのコピーなどが必要になる場合があります。

 

8.日本到着、輸入検査

さて、とうとう輸送の日です。

ケージに犬を入れ、大韓航空の受付で荷物と一緒に預けます。

預けられた犬は貨物室に積み込まれます。

空港に到着すると、手荷物検査場に航空会社のスタッフがケージを持って来てくれます。その足で動物検査所に行き、必要書類を全て提出。問題なければ「犬の輸入検疫証明」を発行してもらえ、無事に出国ゲートを出ることができます。

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出国ゲートを出た後のこの笑顔w

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まとめ

2017年7月から準備を始め、無事に輸送完了まで8ヶ月かかりました。

その間、最低でも2回の現地往復(血清の輸送と犬の輸送)が必要なので、時間的にも費用的にも結構な負担になるし大変なんですが、これから一緒に過ごせる時間を考えると大した作業じゃないでしょう。

もしご質問ありましたらできる限りお答えしますので、ぜひどうぞ。